近年、展示会ブースを訪れるお客様の目を引くために、大きなモックアップやオブジェを設置する企業が増えています。その中でも注目を集めているのが「ビッグダミー」と呼ばれる大型のディスプレイ模型です。実物よりもはるかに大きなサイズで製品の特徴をわかりやすくアピールできるビッグダミーは、遠くからでも人目を引くため、ブースへの誘導効果が期待できます。しかし、大きさゆえに設置場所や什器選びに頭を悩ませることもしばしば。本記事では、ビッグダミーを効果的に活用するための展示会での什器の選び方と配置テクニックを詳しくご紹介します。

化粧品ビッグダミー

写真はローザで制作した化粧品ビッグダミーです。
こちらのページでご覧いただけます。

1. ビッグダミーの魅力と導入のメリット

ビッグダミーとは、商品の原寸サイズから大幅に拡大して作られた見本やオブジェを指します。実際の製品が小型であっても、ビッグダミーにすることで製品の存在感を大きく打ち出すことができます。たとえば、化粧品のボトルや食品のパッケージを巨大化することで、お客様の目線を一気に集め、SNS映えする写真の撮影スポットとしても活用可能です。

1-1. 遠くからでも目立つ

展示会場は広大で、多くのブースが隣り合っています。その中でいかに自社ブースへ誘導するかは大きな課題です。ビッグダミーを設置しておけば、高い位置や遠くからでも視認しやすく、多くの来場者を呼び込む効果が期待できます。

1-2. 商品の特徴を分かりやすく伝えられる
小さい商品であれば、遠目には特徴を捉えづらいことがあります。しかし、それを拡大して見せることで構造や素材感をアピールでき、来場者に「こんなところにこだわっているんだ」と理解してもらいやすくなります。

1-3. SNS映えによる拡散力

展示会は「体験」を提供する場所でもあります。ビッグダミーのようにインパクトのあるディスプレイがあると、多くの人が写真を撮り、SNSにアップしてくれる可能性が高まります。その結果、来場者だけでなく、オンライン上の潜在顧客にも企業や商品の存在を知ってもらえる大きなチャンスとなります。

2. 什器の選び方

いざビッグダミーを作ってみようと思っても、そのサイズや形状に合った什器を用意しなければ、重量オーバーやバランスの不安定さによる安全面の問題が発生してしまいます。ここでは、ビッグダミーを設置する際の什器選びのポイントをご紹介します。

2-1. 強度・耐荷重を重視

ビッグダミーは通常のポップよりも遥かに大きく、素材によっては重量も数十キロになることがあります。そのため、使用する什器には高い耐荷重性や強度が求められます。大型テレビや重い物を載せられるように設計されたプラットフォームや台座を利用すると安心です。

2-2. 観覧者が集まりやすい高さに設置

ビッグダミーの設置位置は、来場者の視線や写真撮影のしやすさを考慮して決める必要があります。あまりにも低い位置に置いてしまうと、写真が撮りづらかったり、周囲の人で隠れてしまったりすることがあります。一方で、過度に高い位置だと離れた場所からは見やすいものの、近くで見ると迫力を感じにくくなります。展示会場の通路幅や来場者数を考慮したうえで、理想的な高さを探りましょう。

2-3. デザインとの調和

ビッグダミーが目立ちすぎて、他の展示物やブース全体のデザインとちぐはぐになるケースも考えられます。什器を選ぶ際は、ビッグダミーのカラーや形状、ブース全体のコンセプトを踏まえて、統一感を持たせることが大切です。たとえば、木目調やナチュラルなトーンの展示ブースであれば、同系統の色味や素材を使った什器を選ぶと全体の統一感が高まります。

2-4. 組み立て・解体のしやすさ

展示会では限られた搬入・搬出時間内に迅速に作業を行う必要があります。ビッグダミーそのものが大型で運搬が大変な場合は、什器の組み立てや解体が容易なタイプを選び、設置時の負担をできるだけ軽減するようにしましょう。

3. ビッグダミーの配置テクニック

ビッグダミーを使ってブースの注目度を高めるには、配置する場所や向きが非常に重要です。多くの来場者の流れを予測し、目を引く位置にレイアウトしましょう。

3-1. ブースの「正面入口」付近に配置

ブースの入口やメイン通路に面した場所にビッグダミーを置くことで、通りがかりの来場者をブース内部へと誘導できます。特に、「何のブースかわからない」と感じられてしまうとスルーされる可能性が高まるため、大きくわかりやすいビジュアルで一目でブース内容を伝えることが大切です。

3-2. 写真撮影スポットの演出

SNS映えを狙うのであれば、ビッグダミーをバックに写真を撮影できる専用スペースを用意するのも効果的です。足元に踏み台を置く、背景を華やかなパネルで装飾するなどの工夫を施し、来場者が「ここで写真を撮りたい!」と思えるシチュエーションを演出しましょう。

3-3. 照明の活用

展示会場の照明だけでは足りない場合、スポットライトやLEDライトなどを追加で用いて、ビッグダミーの見栄えをさらに高める方法もあります。目立たせたい部分に直接光を当てることで、製品の質感やカラーをより引き立たせることができます。

4. ビッグダミーと連動する展示方法の事例

ビッグダミーは単独で置いてあるだけでも十分に目立ちますが、それを活用して来場者とのコミュニケーションを生み出す工夫を加えると、より大きな効果が得られます。ここでは、ビッグダミーと連動した展示方法の例をご紹介します。

4-1. 実際の製品と並べて比較展示

ビッグダミーのすぐ横に実際の製品を配置し、サイズ感や形状、質感をリアルに比較できるようにする手法があります。大きく拡大されたモデルと実物を同時に見てもらうことで、「この部分がこんなに小さいんだ」という気づきや、製品の技術力への感嘆を誘うことができます。

4-2. デジタルコンテンツとの組み合わせ

近年の展示会では、デジタルサイネージやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)などを活用するブースも増えています。ビッグダミーの近くにタッチパネルやモニターを設置し、実際の製品の使用例や製造工程などを映し出すことで、ブース全体の説得力を高められます。
ARを利用すれば、ビッグダミーと組み合わせて来場者がスマホ越しに様々なエフェクトを楽しめる仕掛けも可能です。

5. 安全面・運用面で気をつけたいポイント

ビッグダミーは大きさゆえの魅力がありますが、一方で運搬や設置に関してはリスクを伴う場合もあるため、あらかじめ注意が必要です。

5-1. 設置時の安定性

ビッグダミーが倒れてしまうと重大な事故や損害につながる恐れがあります。什器を選ぶ際は耐荷重だけでなく、横からの衝撃にも耐えられる安定感のあるものを選択しましょう。必要に応じてワイヤーで壁や柱に固定し、安全面を徹底することが求められます。

5-2. 搬入・搬出スケジュール

通常の展示物と比べてビッグダミーはサイズが大きいため、搬入経路や搬出時のトラック手配などを事前にしっかり確認しておきましょう。会場によっては搬入口のサイズ制限がある場合や、エレベーターが使えない階にブースを構える可能性もあります。余裕を持ったスケジュールで段取りを決めることが重要です。

5-3. コスト管理

ビッグダミーの制作にはそれなりのコストがかかりますが、同時に什器のレンタルや購入費用、追加の装飾費なども発生する可能性があります。どこまでを自社で用意し、どこまでを外注するか、全体のコストバランスを見極めつつ計画を立てることが肝要です。

6. まとめ

ビッグダミーは、一目で来場者の興味を引きつけられる非常に有効な展示方法です。製品の魅力を強烈にアピールしたい場合や、ブースへの導線を作りたい場合、さらにはSNSでの拡散を狙いたい場合など、さまざまなシーンで活躍が期待できます。その反面、サイズや重量の問題があるため、対応する什器の選定や安全面への配慮が欠かせません。

ビッグダミーを活かすためには、以下のポイントが重要になります。

  • 耐荷重や強度を満たした什器を選ぶ
  • ブース全体のデザインとの調和を図る
  • 入場口やメイン通路など、目立つ位置に配置する
  • 照明やデジタルコンテンツとの相乗効果を狙う
  • 安全性やコスト、搬入スケジュールも計画的に管理する

これらを踏まえ、ビッグダミーの「巨大さ」と「目を引く力」を最大限に活用できれば、多くの来場者に製品やブランドの魅力を強く印象づけることができるでしょう。展示会では限られた時間とスペースの中で、どれだけ効果的に自社のメッセージや商品の魅力を伝えられるかが勝負の鍵です。インパクトのあるビッグダミーを、適切な什器とレイアウトでレベルアップさせ、競合他社のブースから頭一つ抜け出す存在感を放ってみてはいかがでしょうか。

次回からは業界ごとのビッグダミー活用術をご紹介していきます。

  1. 食品・飲料業界版
    食品・飲料の展示会では、新商品をいかに印象的にアピールし、多くの来場者をブースに呼び込むかが勝負の分かれ目となります。ビッグダミーを活用すれば、小さなパッケージを巨大化して遠くからでも目を引き、試食や試飲へと誘導しやすくなるのが大きなメリット。本記事では、ビッグダミー導入のメリットから什器選び、効果的な配置テクニックまで、食品・飲料ならではのアイデアを詳しく解説していきます。
  2. 化粧品・ビューティー業界版
    化粧品やビューティー商品の魅力は、その美しいパッケージやブランドイメージに凝縮されています。だからこそ、そのデザインや高級感をダイナミックに訴求できる「ビッグダミー」が注目を集めています。小さなリップやボトルを拡大し、SNS映えするフォトスポットを作り出すことでブースの存在感を高めることが可能です。今回は、化粧品・ビューティー業界向けのビッグダミー活用ポイントを押さえながら、配置テクニックや什器選びのコツを分かりやすくご紹介します。
  3. テクノロジー・電子機器業界版
    高度な技術や精密な内部構造を伝えにくいのが、テクノロジー・電子機器関連の展示会の悩みどころ。そんな時に頼りになるのが、製品やパーツを拡大し、ビジュアルでその凄みを伝えるビッグダミーです。ブースの遠くからでも未来感を訴求できるだけでなく、基板やセンサーの仕組みをわかりやすく解説する場としても活用可能。本記事では、より効果的なビッグダミーの使い方や展示什器の選び方、活用シーンをご提案します。
  4. 建設・住宅設備業界版
    建材や住宅設備は、大きく複雑な構造ゆえ、展示会でその魅力を存分に伝えるのが難しいと言われています。そこで役立つのが、サイズや断面構造をダイナミックに再現する「ビッグダミー」。実物を持ち込むリスクや手間を減らしながら、建物の仕組みや設備のポイントを視覚的に解説できるのが強みです。本記事では、建設・住宅設備業界向けにビッグダミー導入のメリットや什器選びの要点、配置のコツを詳しくまとめました。
  5. スポーツ用品業界版
    最新モデルのシューズやアパレル、トレーニングギアが所狭しと並ぶスポーツ用品の展示会。数多くの競合ブースから抜きん出るためには、“迫力”と“楽しさ”を両立した演出がカギになります。ここで注目されているのが、人気アイテムを大型化して抜群のアイキャッチを作る「ビッグダミー」。スポーツならではの躍動感をうまく引き出せば、来場者の心を一瞬でつかむことも可能です。今回はビッグダミー活用のポイントや什器選び、効果的な配置方法を解説していきます。

ローザの什器レンタル

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